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歯科コラム

ホワイトニングでは、どのようにして歯を白くしているのですか?

2020年07月05日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「ホワイトニングで歯が白くなるのはなぜか」です。
以前まで、ホワイトニングはアイドルが行う治療のイメージでした。

しかし、近年では一般の人でも歯の審美性を求める人が多く、
そのためホワイトニングを希望する人が増加傾向にあります。
そこで、ここで改めてホワイトニングの仕組みを覚えておきましょう。

エナメル質と象牙質

歯の構造として見た目に関わるのは、エナメル質と象牙質です。

エナメル質

エナメル質とは歯の表面にあるもので、歯を保護する役割を担っています。
本来なら歯は敏感であり、触れた刺激や熱さや冷たさによって痛みを感じます。
普段冷たいものや熱いものを痛みなく飲食できるのは、エナメル質によって刺激から守られているためです。

象牙質

エナメル質の奥にあるもので、歯の主体とも言える存在です。
エナメル質の奥にあるということは、歯の表面の奥にあるということ。
そのため目に見えないイメージがありますが、エナメル質は透明ですから象牙質は目にうつります。

歯の変色

歯が変色している場合、それは次の2つのことが考えられます。

エナメル質の変色

歯の表面が変色しているケースで、変色というより着色と表現した方が的確かもしれません。
例えば、カレーを食べた時やワインを飲んだ時にはこれらの色が歯に付着するでしょう。
最も、変色しているのはあくまで歯の表面ですから、歯磨きによって対処可能です。

象牙質の変色

エナメル質は透明ですから、象牙質が変色している場合も目にうつります。
歯全体が黄ばんでいるなどの場合、それはエナメル質ではなく象牙質の変色によるものです。
とは言え、象牙質はエナメル質の奥に位置するため、歯磨きでは対処できません。

…この説明から分かるとおり、歯の変色として対処が困難なのは象牙質が変色しているケースですね。
なぜなら、象牙質は歯の表面の奥にあるため歯磨きで磨くことができません。
そして、このように象牙質の変色に対処して歯を白くさせられるのがホワイトニングです。

ホワイトニングの仕組み

ホワイトニングで使用する薬剤には過酸化水素が含まれており、歯に2つの効果をもたらします。

効果1.エナメル質を無色透明にする

歯の表面の着色が分解され、エナメル質が無色透明な状態になります。
これによって歯の表面の変色は除去され、カレーやワインなどの着色を綺麗に落とせます。

効果2.エナメル質の構造が変化する

エナメル質は元々角ばった形状をしていますが、薬剤の効果によって丸みを帯びた形状に変化します。
エナメル質の構造が変化することで象牙質がうつらなくなり、光の乱反射によって歯が白く見えます。

…「効果2」を補足すると、エナメル質は例えるなら本来透明ガラス状態であり、
そのため象牙質が変色しているとそのままうつってしまいます。
これを曇りガラス状態へと構造を変化させ、光の乱反射を引き起こして歯を白く見せているのです。

ホワイトニングの後戻り

ホワイトニングの効果は永久ではなく、時間の経過によって後戻りが起こります。
ホワイトニングでは、エナメル質を構造変化させて歯を白く見せているのがその仕組みです。
つまり元の形を変化させているわけですが、変化させられたものは元の形に戻ろうとするのです。

角ばった形状から丸みを帯びた形状へと変化させられたエナメル質は、
時間をかけて元の角ばった形状へと戻っていき、完全に戻った時点でホワイトニングの効果が失われます。
ただし、ホワイトニングは重ねて行える治療ですから、定期的に行うことで白さを維持できます。

また、白さを維持できる期間…すなわちホワイトニングの持続期間はホワイトニングの種類によって違います。
即効性のあるオフィスホワイトニングの場合は3ヶ月~6ヶ月ほど、
効果が出るまでに時間がかかるホームホワイトニングの場合は6ヶ月~1年ほどです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングで歯が白くなるのはなぜかについてまとめます。

1.エナメル質と象牙質:歯の表面のエナメル質とその奥の象牙質。これらが歯の見た目に関わってくる
2.歯の変色:エナメル質が変色しているケースと象牙質が変色しているケースがある
3.ホワイトニングの仕組み:エナメル質を構造変化させることで、象牙質をうつらなくさせている
4.ホワイトニングの後戻り:ホワイトニングの効果は永久ではないが、重ねて行うことで効果を維持できる

これら4つのことから、ホワイトニングで歯が白くなるのはなぜかについて分かります。
歯の表面の奥にある象牙質は、表面のエナメル質が無色透明のため透けてうつり、
そのため象牙質が変色している場合、そのまま歯の色に影響してきます。

そこで、ホワイトニングではエナメル質の構造を透明ガラス状態から曇りガラス状態へと変化させ、
マスキング効果をもたらせることで変色した象牙質をうつらなくさせているのです。
そして、形状的に光の乱反射が起こるため、その効果で歯が白くなったように見えるのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』