歯科コラム
ドラッグストアで売っているホワイトニング歯磨き粉と歯科医院で行うホワイトニングの差は?
2020年07月10日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科治療のホワイトニングの比較」です。
ホワイトニングは歯科治療の一つですが、その目的は審美面の向上になります。
このため、病気の治療と異なり健康保険が適用されず、自由診療となるため費用が高いのが欠点です。
一方、ドラッグストアに行くとホワイトニングの効果を謳った歯磨き粉が多数販売されており、
これらは値段も安いため歯科治療のホワイトニングに比べてお得に思えます。
ただ問題は効果の差…そこで、市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科治療のホワイトニングを比較してみます。
効果の比較
市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科治療のホワイトニングの効果を比較すると、次のようになります。
市販のホワイトニング歯磨き粉
ホワイトニング歯磨き粉は歯磨きで使用するものであり、歯磨きで磨けるのは歯の表面です。
そのため、ホワイトニング歯磨き粉は歯の表面の汚れや着色にしか対処できず、
象牙質が変色している場合はいくら使用して歯磨きしても白くなりません。
また、市販のホワイトニング歯磨き粉の場合、「削って落とす」が仕組みとなっていますから、
磨きすぎると歯を傷つけてしまう危険性もあります。確かに、歯の表面の汚れや着色は除去できますが、
歯へのダメージやプラークの除去を考えると歯科治療で歯のクリーニング行った方が効果的でしょう。
歯科治療のホワイトニング
歯科治療のホワイトニングでは、過酸化水素や過酸化尿素が含まれた薬剤を使用。
これらの効果で、エナメル質が無色透明になって歯の表面の汚れや着色を落とします。
さらに、エナメル質の構造が角ばった形状から丸みを帯びた形状へと変化。
これによって透明ガラス状態だったエナメル質が曇りガラス状態へと変わり、
マスキング効果をもたらして変色した象牙質をうつらなくさせます。
それに加えて光の乱反射が起こるようになり、歯が白くうつるようになるのです。
歯科治療のホワイトニングの種類
上記の説明で分かるとおり、市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科治療は全くの別物です。
さらに、歯科治療のホワイトニングには3つの方法があります。
最も、どの方法においても仕組み自体は同じですが、それぞれの方法ならではの特徴があります。
オフィスホワイトニング
歯科医院で医師の施術によって行うホワイトニングです。
医師が薬剤を取り扱うため高濃度のものが使用でき、そのため効果を実感できるのも早いでしょう。
一方で後戻りするのも早く、オフィスホワイトニングの効果は一般的に3ヶ月~6ヶ月ほどです。
ホームホワイトニング
歯科医院で薬剤を受け取り、自宅にて自身の施術によって行うホワイトニングです。
安全性を考慮して薬剤の濃度が薄く、そのため効果を実感できるまでに時間がかかります。
一方で薬剤がしっかり浸透するため持続期間が長く、効果は一般的に6ヶ月~1年ほどです。
デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用したホワイトニングです。
それぞれの長所をあわせて効果の実感も早く、また持続期間も長くなっています。
とことん白さにこだわる人向けの方法で、ただし費用は他の方法に比べて高くなります。
※一つ補足すると、ホームホワイトニングは施術の過程でマウスピースの装着が必要です。
そして装着時間はおよそ2時間となるため、その時間を確保できることが治療を受ける前提となります。
ホワイトニングでも白くならないケース
市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科治療のホワイトニングを比較すると、効果の差は明らかです。
象牙質の変色に対応できない時点で、市販のホワイトニング歯磨き粉はおすすめできません。
とは言え、歯科治療のホワイトニングでも次の症例においてはあまり白くなりません。
神経を失って変色した歯
虫歯の進行などで神経を失った場合、歯は黒く変色してしまいます。
この場合…つまり神経を失ったことが原因で変色した歯は、ホワイトニングでも白くなりません。
テトラサイクリンで変色した歯
テトラサイクリンとは抗生物質の一種で、ひと昔前は子供の風邪薬に含まれていました。
現在でも治療内容によっては使用されていますが、
テトラサイクリンの影響で変色した歯はホワイトニングでもほとんど白くなりません。
人工物
詰め物、被せ物、入れ歯、インプラントなどが該当します。
これらの人工物はホワイトニングすることができず、
審美性を高めるなら素材としてセラミックを選択しなければなりません。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科治療のホワイトニングの比較についてまとめます。
1.効果の比較:市販のホワイトニング歯磨き粉は歯の表面の汚れ・着色しか対処できない
2.歯科治療のホワイトニングの種類:オフィスホワイトニングをはじめとした3種類
3.ホワイトニングでも白くならないケース:神経を失って変色した歯、テトラサイクリンで変色した歯など
これら3つのことから、市販のホワイトニング歯磨き粉と歯科治療のホワイトニングの比較について分かります。
このように、それぞれのホワイトニングは全く別物であり、
市販のホワイトニング歯磨き粉は歯科治療のホワイトニングの効果は期待できません。
そもそも、市販のホワイトニング歯磨き粉には過酸化水素や過酸化尿素が含まれておらず、
同じホワイトニングでも効果や仕組みが全く違うのです。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』