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歯科コラム

タバコを吸う人は歯周病にかかりやすくなります

2020年08月07日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「タバコと歯周病」です。
タバコが身体の健康に有害なことは、今更説明するまでもありません。

ただ、口の中の健康においてもそれは同じで、タバコを吸う人は歯周病にかかりやすくなります。
数値で示すと、タバコを吸う人は吸わない人に比べて3倍以上も歯周病にかかりやすく、
また2倍以上も歯を失っており、つまりタバコを吸うことは歯を失うことになるのです。

免疫力が低下する

歯周病は細菌に感染することで発症する病気であり、つまり細菌による感染症と位置付けられています。
その点だけで考えれば実は歯周病の発症は風邪に似た特徴を持っており、
身体の免疫力を高めることが予防につながります。

しかし、タバコを吸っているとニコチンによって免疫機能が狂わされてしまうため、
細菌に対する抵抗力が低下した状態になってしまうのです。
要するに、常に免疫力が低下しているため歯周病の原因菌にも感染しやすくなってしまいます。

歯周病が発覚しづらくなる

本来、歯周病にかかると歯肉の腫れという自覚症状があらわれますが、
タバコを吸うとそれが見た目上として抑えられてしまいます。
つまり、歯周病ならではの自覚症状が目で確認できなくなるのです。

自覚症状を失えば歯周病の自覚は難しく、発覚も遅れてしまうのでしょう。
そうなると、自分が気づかない間に歯周病はどんどん進行していきますから、
重症化もしやすくそれだけ歯を失うリスクも高くなってしまいます。

プラークが付着しやすくなる

歯周病予防の基本は毎日の歯磨きであり、歯磨きの目的はプラークを除去することです。
しかし、タバコを吸っているとそのプラークが付着しやすくなり、
これはタバコを吸ったために歯にタールが付着してしまうのが原因です。

歯にタールが付着することでプラークが付着しやすくなりますし、
プラークが付着しやすいということは、歯周病の原因菌も繁殖しやすくなります。
また、当然歯石も発生しやすくなりますから、歯周病の発症と進行のリスクを高めてしまうのです。

治癒能力が低下する

これは毛細血管の収縮が関係する問題です。
タバコを吸うと身体の毛細血管が収縮されるため、これが貧血状態を招きます。
貧血…すなわち血液の巡りが悪くなり、その影響は口の中においても例外ではありません。

口の中で血液の巡りが悪くなり、さらにはタバコを吸うことで一酸化炭素も発生して口の中の環境が悪化。
そうなると充分な酸素が供給されず、歯周病の治療による傷もなかなか癒えなくなるのです。
例えば治療において歯肉を切開した場合、その傷が癒えなければ次の治療に進めなくなってしまうでしょう。

歯周病の原因菌が活発に働く

タバコを吸っている人は実感があることですが、タバコを吸うと口の中が乾燥して酸欠状態になります。
さて、歯周病の原因菌は嫌気性菌と呼ばれるもので、
文字どおり空気を嫌って酸欠の状態を好む特徴を持った細菌です。

つまり、歯周病の原因菌にとってタバコを吸う人の口の中は活動する上で絶好の環境になります。
当然歯周病の原因菌の働きは活発になりますから、
そのためタバコを吸う人の口の中では歯周病の原因菌が繁殖しやすく、歯周病が発症しやすくなるのです。

インプラントでも歯周病になる

既に歯を失って人工の歯を装着している人の中には、毎日のケアを疎かにしている人もいるかもしれません。
確かに、人工の歯なら虫歯になることはないですから、
天然の歯同様のケアが不要に思えるのは気持ちとして理解できます。

しかし歯周病は別で、なぜなら歯周病は歯ではなく歯の骨の病気であり、
例え人工の歯であったとしてもそこに歯周病は発症するのです。
特にインプラントの場合、インプラント周囲炎と呼ばれるインプラント脱落を招く病気にかかってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、タバコと歯周病についてまとめます。

1.免疫力が低下する:ニコチンによって免疫機能が狂わされ、歯周病の原因菌に感染しやすくなる
2.歯周病が発覚しづらくなる:歯肉の腫れが見た目上だけ抑えられ、歯周病の発症に気づきにくくなる
3.プラークが付着しやすくなる:タールが付着した歯はプラークが付着しやすく、細菌が停滞しやすくなる
4.治癒能力が低下する:毛細血管が収縮され、治療による傷が癒えにくくなる
5.歯周病の原因菌が活発に働く:タバコを吸う人の口の中は、歯周病の原因菌が最も好む環境
6.インプラントでも歯周病になる:歯周病は歯の骨の病気のため、例え人工の歯でも歯周病にかかる

これら6つのことから、タバコと歯周病について分かります。
タバコを吸っている人の場合、喫煙歴が長いと禁煙に対して今更と思う人も少なくなく、
「どうせ今から禁煙しても歯周病にかかるリスクは変わらない」と考えてしまうかもしれません。
しかし、禁煙すれば歯周病が発症するリスクを4割ほど抑えられ、禁煙には確かな効果があります。
歯周病において禁煙に手遅れはなく、今からでも禁煙すれば歯を守れる確率がグッと高まりますよ。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』