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歯科コラム

虫歯治療して詰め物で処置した歯でも虫歯になりますか?

2020年08月14日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「虫歯の再発」です。
成人の虫歯治療を基準にした時、その多くは二次虫歯によるものです。

二次虫歯とは文字どおり二度目の虫歯…つまり虫歯の再発であり、
一度虫歯治療した歯が再度虫歯になることを示します。
つまり、虫歯治療を終えたからといってその歯の未来の健康が約束されたわけではないのです。

なぜ二次虫歯は起こるのか

二次虫歯の発症の原因そのものは虫歯の原因菌への感染であり、その点は最初の虫歯と全く同じです。
ただ、一度虫歯治療した歯は治療時に詰め物(被せ物の場合もある)で処置されています。
一体、二次虫歯はどのようにして発症するのでしょうか。まずは、その流れを分かりやすく解説していきます。

虫歯治療した歯は脆い

虫歯治療した歯が再度虫歯になることに対して疑問に感じる人がいるかもしれませんが、
実は虫歯治療した歯は一度も虫歯になっていない歯に比べて脆く、細菌に感染しやすい状態になっています。
これは歯が削られてエナメル質を失っているからで、歯は一切保護されず無防備になっているのです。

詰め物の役割

エナメル質が削られて無防備な歯は、たちまち細菌に感染してしまうほど脆くなっています。
そこで対処として用いられるのが詰め物、患部を詰め物で覆うことで細菌の感染から守っているのです。
詰め物は歯の代用とだけ思っている人もいますが、実際には無防備な患部を守る役割も担っています。

詰め物は劣化する

人工物である詰め物の寿命は永久ではありません。
どんな物でもやがて劣化して壊れるように、詰め物もまた年数が経過すれば劣化していきます。
そして、劣化した詰め物は接着が弱くなり、隙間が生じて細菌が入り込んでしまうのです。

…この流れから分かるとおり、二次虫歯は詰め物に隙間が生じて細菌が入り込むことで起こります。
それを防ぐには毎日のケアでプラークを除去することはもちろん、詰め物の定期的な交換が必要です。

二次虫歯は進行しやすい

二次虫歯と最初の虫歯はどちらも怖い病気ですが、
比較すれば二次虫歯の方が怖く、なぜなら二次虫歯は進行しやすいからです。
そこで、今度は二次虫歯が進行しやすい理由を説明していきます。

見た目で虫歯を自覚できない

鏡で歯を見た時、濁ったように白く変色していればそれは虫歯の発症を意味します。
また、例えそれに気づかなくても進行して歯に穴が空いていれば、虫歯の発症を自覚できるでしょう。
しかし、二次虫歯は詰め物で覆われているため目で虫歯を確認できず、発症に気づけず進行してしまいます。

痛みを感じないことがある

おそらく、ほとんどの人は虫歯を自覚するきっかけとして「歯の痛み」を挙げるでしょう。
しかし、最初の虫歯治療で神経を失っていれば感覚が失われているため、
二次虫歯が発症しても痛みを感じません。そうなると、虫歯の発症に気づけず進行してしまいます。

防御機能が失われている

上記の「痛みを感じないことがある」同様、最初の虫歯治療で神経を失っている場合に起こる問題です。
神経は歯に栄養を届け、さらに虫歯の進行路を塞ぐ防御機能を備えていますが、
神経が失われていればこれらが機能しなくなり、虫歯の進行に対して成す術がなくなります。

…このような理由から二次虫歯は発症を自覚しづらく、また発症を自覚できなければ進行を許してしまいます。
これが二次虫歯の怖さであり、さらに二次虫歯は何度でも繰り返されるため、
「治療→虫歯」を繰り返せば少しずつ歯は失われていってしまうでしょう。

二次虫歯を予防する方法

二次虫歯も虫歯である以上、予防するための基本は毎日の歯磨きです。
ただ、二次虫歯ならではの予防方法も存在するため、その具体的な方法を次にまとめます。

詰め物をセラミックにする

詰め物の素材にはいくつか種類があり、その中で最も二次虫歯を予防しやすいのはセラミックです。
セラミックは高い審美性を誇るため審美のみを目的とした素材のイメージがありますが、
プラークが付着しにくく接着も剥がれにくいため、二次虫歯を予防しやすくなるでしょう。

定期的に検診を受診する

詰め物の劣化に気づいて交換すれば二次虫歯を予防しやすくなりますが、
実際にはそれが難しく、なぜなら自分で詰め物の劣化に気づくのは困難だからです。
そこで、定期的に検診を受診して医師に詰め物の状態を確認してもらいましょう。

最初の虫歯を早期治療する

二次虫歯になるということは、一度はその歯が虫歯になって治療したということですが、
最初の虫歯が発症した時に早期治療を心掛けていれば、後の二次虫歯を予防しやすくなります。
初期段階で虫歯を治療すれば削らずに治せることあり、それだけで二次虫歯は格段に予防しやすいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の再発についてまとめます。

1.なぜ二次虫歯は起こるのか:詰め物が劣化して隙間が生じると、そこから細菌が入り込んでしまう
2.二次虫歯は進行しやすい:詰め物で覆われているため、目で見て虫歯の確認ができない
3.二次虫歯を予防する方法:詰め物の素材をセラミックにする、定期的に検診を受診する

これら3つのことから、虫歯の再発について分かります。
「二次虫歯になってもまた治療すれば良い」…そう考えている人は間違っています。
二次虫歯になれば歯が溶かされ、それを治療すればまた歯を削ることになり、
そんな二次虫歯を繰り返せば症状においても治療においても少しずつ歯は失われていきます。
つまり、二次虫歯を引き起こすことは歯を失う始まりになってしまうのです。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』