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歯科コラム

歯周病の治療では手術が必要と聞きました

2020年12月25日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。
今回のテーマは「フラップ手術」です。
歯科医院で治療費を支払った時、明細を見ると「手術代」という項目があります。

外科ならともかく、歯科と手術は一見無関係に思うかもしれませんが、
歯科の治療においても手術が必要なケースがあるのです。
例えば、歯周病の治療ではフラップ手術を行うことがあります。

フラップ手術とは

フラップ手術とは歯肉を切開する手術であり、麻酔を使用して行います。
歯肉を切開する目的は歯周ポケットの清掃、まずこの点について解説しておきましょう。
歯周病になると歯と歯肉の境目に溝ができ、これを歯周ポケットと呼びます。

そして、歯周ポケットにはプラークや歯石が蓄積し、歯周病の治療時にはこれらを除去する必要があるのです。
本来、歯周ポケットの清掃は専用の器具を使って行われるのですが、
歯周ポケットは歯周病の進行に比例して深くなる特徴があります。

そのため、一定以上の深さになった歯周ポケットは通常の器具では清掃できなくなるのです。
そこで行われるのがフラップ手術であり、歯肉を切開して直接歯周ポケットの清掃を行います。
一般的に、フラップ手術は歯周病が中期段階以降まで進行した場合に行われます。

フラップ手術の流れ

外側から歯周ポケットを清掃できる状態であれば、フラップ手術を行うことはありません。
フラップ手術を行うのは、あくまで外側から歯周ポケットを清掃できないと判断した時に限られます。
もっとも、手術といっても全身麻酔を使用する大掛かりな手術とは全く異なります。

流れとしては、まずは局所麻酔をかけてから歯肉の切開を行い、
歯周ポケットにある歯根を見える状態にした上で、歯周ポケットの炎症性組織を除去します。
そして専用の器具を使ってプラークや歯石を除去、清掃を終えたら歯肉を塞いで終了です。

手術に要する時間は一般的に1時間~2時間、治療する歯の本数が多ければさらに時間がかかります。
手術が終わって歯肉を塞ぐ時、縫い合わせて塞ぐため後日抜糸が必要ですが、
抜糸までの期間は1週間程度と考えておけば良いでしょう。

フラップ手術をしたくない場合

歯肉を切開するフラップ手術を望んで希望する人はまずいないでしょう。
では、フラップ手術を避けて歯周病を治療するのはどうすれば良いのでしょうか。
それは簡単で、重症化する前に歯周病を発見して治療することです。

もっとも、自覚症状の少ない歯周病を発見するのは自分では難しく、
確実に歯周病の有無を調べるには歯科医院で定期検診を受けるのがおすすめです。
半年に一回、長くても一年に一回は定期検診を受診しましょう。

また、フラップ手術の必要性を判断するのは医師ですから、
不安であれば日本歯周病学会の認定医・専門医から治療を受けても良いですね。
経験と技術に長けた専門医なら、フラップ手術の必要性の有無をより正確に判断できるでしょう。

歯周病の予防方法

歯周病は早期治療するのはもちろん大切ですが、それ以上に大切なのは予防することです。
そこで、歯周病予防に効果的な3つの方法を紹介します。
これら全てを実践すれば大抵の歯周病は予防できますし、重症化を防ぐことができるでしょう。

磨き残しの少ない精密な歯磨き

ブラッシングだけでは磨けない箇所もあるため、デンタルフロスや歯間ブラシを使って磨きましょう。
また、元々の歯磨きの技術を高めるためにブラッシング指導を受けるのも効果的ですし、
磨き残しを目で確認できるようプラークテスターを使うのもおすすめです。

生活習慣の改善

歯周病は生活習慣病ですから、日常生活の過ごし方によっては発症しやすくも予防しやすくもなります。
例えば、疲労やストレスが溜まれば免疫力が低下して、歯周病に感染しやすくなってしまうでしょう。
こうした生活習慣を見直し、改善することも歯周病の予防につながります。

定期検診の受診

定期検診を受診することで、歯周病の重症化を防げます。
定期的に受診してその都度医師が健康状態を確認すれば、例え歯周病が発症しても早期治療できるでしょう。
また、定期検診ではブラッシング指導・生活習慣改善のアドバイスなども行っています。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、フラップ手術についてまとめます。

1. フラップ手術とは :歯周ポケットを清掃するため、歯肉を切開するのがフラップ手術
2. フラップ手術の流れ :麻酔を使って歯肉を切開、歯周ポケットを清掃して塞ぎ、後日抜糸する
3. フラップ手術をしたくない場合 :重症化する前に歯周病を治療すれば良い
4. 歯周病の予防方法 :精密な歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診

これら4つのことから、フラップ手術について分かります。
まとめると、フラップ手術とは歯肉を切開する手術であり、目的は歯周ポケットの清掃です。
本来、歯周ポケットの清掃は専用の器具を使って行われますが、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなった場合、
専用の器具では清掃が不可能だと判断された時にフラップ手術を行います。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』