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歯科コラム

金属アレルギーを持っていますが、虫歯治療後に入れる詰め物はどうなりますか?

2021年02月05日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。
今回のテーマは「金属アレルギーと詰め物の素材」です。
金属アレルギーの人は金属に対してアレルギーが起こるため、該当する金属に触れることができません。

そうなると気になるのが、虫歯治療での処置で必要になる詰め物です。
一般的な素材である銀歯は金属ですから、金属アレルギーの人に使用することはできず、
その場合はどのようにして詰め物の処置を行うのでしょうか。

歯科金属アレルギーの症状と対処

歯科金属による金属アレルギーでは、「全身のかゆみ」「口の中の粘膜が荒れる」などの症状が起こり、
溶け出した歯科金属の金属イオンが全身に広がってしまいます。
この場合、対処として有害な金属を口の中から取り除き、無害なものへと交換しなければなりません。

つまり、詰め物の素材を金属アレルギーが起こらないものに交換するのですが、
選択肢となるのは、「金属以外の素材の詰め物」「金属アレルギーが起こりにくい金属の詰め物」の2つです。
実際にどのような素材になるのか、素材の名称と特徴を以下で解説していきます。

いわゆる金歯と呼ばれるもので、銀歯同様に金属ではあるものの、
イオン化しにくい特徴から銀歯に比べて金属アレルギーが起こりにくい素材です。
ただ、現状では希望することは可能なのですが、実際に金歯にする人はほとんどいません。

というのも、金にすると自由診療になるため費用が高くなるからです。
以前はステータスを示す意味で、高級感を見せるために金歯を希望する人がいましたが、
審美性が低い理由から、現在では同じ自由診療ならセラミックを希望する人がほとんどです。

レジン

歯科用のプラスチックが素材となっており、非金属の詰め物になるため金属アレルギーは起こりません。
保険診療になるものが大半のため費用が安く、銀歯に比べて目立たないのもメリットであり、
そのため、金属アレルギーと関係なくレジンの詰め物を基本的に使用する歯科医院は多いでしょう。

とはいえ、審美性が高いわけではないですし、年数が経過すると劣化による変色も起こります。
また、強度で比較すると金属より劣るため、噛む力が強い人だと割れてしまうことがありますし、
虫歯の穴が大きい人にもあまりおすすめできない素材です。

チタン

チタンは金属ですが、イオン化しにくいことから金属アレルギーが起こりにくい金属であり、
さらに金属の中で最も生体親和性が高いといわれている素材です。
ちなみに、チタン製のアクセサリーが多いのもこの生体親和性の高さが理由です。

もっとも、金属アレルギーの有無では銀歯より優れていますが、
あくまで素材は金属そのものですから、決して審美性が高いわけではありません。
そのため、身体に対する害のなさは評価されているものの、詰め物でチタンの素材を希望する人は少なめです。

セラミック

金属アレルギーの人にかかわらず、近年詰め物の素材として人気なのがセラミックです。
陶器であるセラミックは審美性が高い上に機能性も非常に高く、
例えば「二次虫歯になりにくい」「長持ちしやすい」などのメリットもあります。

ちなみにセラミックには種類があり、最も美しいのはオールセラミックです。
自由診療になるために費用が高いのは欠点ですが、それに見合った価値があるのも事実ですし、
ハイブリッドセラミックなら比較的費用が安く設定されています。

※セラミックの種類の一つであるメタルボンドは金属が使用されています

保険診療のセラミック

これは選択肢の一つというより、例外として覚えておくといいでしょう。
2014年の健康保険改定により、一定の基準を満たしている場合はセラミックも保険診療の対象になります。
とはいえ、今回のテーマである詰め物は除外されており、保険診療のセラミックは被せ物に限られます。

また、対象となる歯の箇所も限定されているため、希望しても対応できないケースがあるでしょう。
ちなみに、保険診療のセラミックはハイブリッドセラミックになりますが、
これは自由診療のハイブリッドセラミックと同じものではなく、審美性・耐久性が劣るものになります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、金属アレルギーと詰め物の素材についてまとめます。

1. 歯科金属アレルギーの症状と対処 :非金属の素材、もしくは金属アレルギーが起こりにくい金属で対処する
2. 金 :金属だがイオン化しにくい。自由診療になるため、現在ではセラミックを希望する人が多い
3. レジン :歯科用のプラスチック。金属より目立たないが審美性は高くなく、保険診療のため費用は安い
4. チタン :生体親和性が高い。あくまで素材は金属のため、審美性は低い
5. セラミック :審美性が高く、二次虫歯になりにくい。自由診療だが、費用が安めのタイプもある
6. 保険診療のセラミック :被せ物に限定・ハイブリッドセラミックに限定など、いくつかの制限・基準がある

これら6つのことから、金属アレルギーと詰め物の素材について分かります。
金属アレルギーを持っている人は、必ずその旨を医師に伝えてください。
あらかじめ金属アレルギーだと分かっていれば、アレルギーを回避できる素材で対応できるため、
症状が起こってから素材を交換する必要もなく、安心して使用できます。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』