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歯科コラム

虫歯は自然に治りますか?

2021年04月19日

 

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。

今回のテーマは「虫歯の進行と痛み」です。

歯に痛みを感じた時は虫歯を自覚するでしょうが、その痛みは時におさまることがあります。

そんな時、もしかして虫歯が自然に治ったかもしれないと期待する人がいますが、

結論からいって虫歯が治ったわけではなく、むしろ進行してしまっていることも考えられるでしょう。

そこで、ここでは虫歯の進行と痛みをテーマにしたお話をしていきます。

 

進行した虫歯に自然治癒はない

虫歯について1つ言えるのが、進行した虫歯に自然治癒の可能性はないということです。

もっとも、「進行」という表現から分かるとおり、進行前…すなわち初期なら自然治癒も期待でき、ケアして再石灰化を促進すれば歯が元どおりに治る可能性もあるでしょう。

しかし、虫歯が一度でも進行すれば自然に治ることはなく、むしろ進行していってしまうのです。

とくに、歯に痛みを感じるのは虫歯が少なくとも象牙質まで進行している証拠ですから、例え痛みがおさまったとしても虫歯が治ったわけではないのです。

 

虫歯の痛みが解消された原因

進行した虫歯に自然治癒はなく、それでも虫歯の痛みが解消された場合は何が原因なのでしょうか。

ここで考えられるのは、次の3つのケースです。

 

可能性1. そもそも虫歯ではなかった

歯が痛む原因は虫歯とは限らず、何らかの理由でエナメル質が傷ついて知覚過敏が起こっていることも考えられます。

この場合、エナメル質は唾液によって自然に修復されることもありますから、エナメル質が元どおりになったことで知覚過敏が解消され、痛みを感じなくなったのかもしれません。
 

可能性2. 歯が刺激を受けていないだけ

虫歯が象牙質まで進行した場合、知覚過敏によって痛みを感じます。

ただし、知覚過敏は常に起こるものではなく、象牙質が刺激を受けた時に起こる症状です。

そのため、歯が刺激を受けなければ痛みを感じることがありません。
 

可能性3. 神経が死んでしまった

虫歯の痛みが解消されるケースとして、最も深刻なのがこのパターンです。

虫歯が神経まで進行すればズキズキと痛みますが、さらに進行すると神経が死んでしまいます。

神経が死んでしまえば痛みを感じなくなり、つまり虫歯の進行によって神経が失われてしまったのです。

 

神経を失うことの問題

上記で解説したとおり、虫歯で歯の痛みを感じなくなるケースとして、最も深刻なのが神経を失った場合です。

もっとも、神経を失って痛みが解消されれば、辛い痛みから解放されて気楽に感じる人もいるでしょう。

しかし、神経を失うことは大きな問題であり、その理由として次のことが挙げられます。
 

大きな治療が必要になる

神経を失うほどの虫歯になると、「歯を削って詰め物を入れる」だけでは治せません。

神経まで進行した虫歯を治すとなると、根管内の清掃・消毒を行う根管治療が必要になってくるでしょう。

また、重症化している場合は抜歯が必要など、虫歯の治療内容が大きく変化してしまいます。
 

歯が脆くなる

神経が死んでしまうと歯に栄養が届かなくなり、象牙質は弾力を失って脆くなってしまいます。

そうすると、歯が欠ける・割れるなどしやすくなり、また見た目も黒く変色してしまいます。

さらに、神経の防御機能が失われることになって虫歯の進行も早まってしまうのです。
 

歯の異常に気づけない

痛みというのは辛い一方で、身体の健康の異常に気づくためにはなくてはならない自覚症状です。

虫歯だって、歯が痛くならなければ自覚できず、そうなると結果的に放置状態になってしまいます。

つまり、神経を失って歯に痛みを感じないことは、歯の異常に気づけなくなることを意味するのです。

 

それでも虫歯を放置した場合

虫歯で痛みを感じても放置すれば神経を失い、

神経を失ってもなお虫歯を放置すればさらに深刻な事態を引き起こしてしまいます。

まず、虫歯が重症化すれば歯を失いますし、虫歯の原因菌は血液にまで入りこんでくるのです。

その場合、虫歯の原因菌は血管を通じて身体中に回ってしまいますから、

脳や心臓に回る可能性もゼロではなく、脳梗塞・心筋梗塞を引き起こす要因になってしまいます。

非常に稀なケースではあるものの、実際に引き起こされた人が死亡した事例もあるのです。

 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、虫歯の進行と痛みについてまとめます。

 

1. 進行した虫歯に自然治癒はない :一度でも進行した虫歯は自然には治らない

2. 虫歯の痛みが解消された原因 :そもそも虫歯ではなかった、神経が死んでしまったなどが考えられる

3. 神経を失うことの問題 :大きな治療が必要になる、歯が脆くなる、歯の異常に気づけない

4. それでも虫歯を放置した場合 :歯を失い、虫歯菌が全身に回ることで大きな病気の要因になる

 

これら4つのことから、虫歯の進行と痛みについて分かります。

進行前の段階ならケア次第で改善される可能性があるものの、一度でも進行した虫歯が自然に治ることはありません。

そのため、例え痛みがおさまったとしても虫歯が治ったわけではなく、治すためには必ず治療が必要です。
 

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』