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歯科コラム

「歯周ポケット」という用語の説明

2021年09月24日

 

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。

今回のテーマは「歯周ポケットとは何か」です。

歯科について勉強しようと思った時、用語が登場することで内容が分かりづらくなりますよね。

 
たとえば、歯周病についての解説文には決まって「歯周ポケット」という用語が登場しますが、

この言葉の意味が分からなければ症状・治療方法ともに理解するのは難しいでしょう。

そこで、ここでは歯周ポケットという用語について説明していきます。

 

歯周ポケットとは

歯周ポケットとは、歯と歯を囲む歯肉との間に発生する溝のことを示す言葉です。

本来、歯は歯肉とピッタリ付着していますが、組織の特徴上、これらが結合することはありません。

たとえるなら、指や足の皮膚同士を密着させても結合しないのと同じです。

 
ただ、付着というのは結合と違って破壊されることがあり、

歯周病の原因菌に感染することで歯と歯肉の付着が破壊されてしまいます。

そうすると、歯と歯肉の付着が解かれてそこに隙間が生じてしまうのです。

 
この隙間こそ歯周ポケットと呼ばれるもので、つまり歯周ポケットの発生は歯周病の発症を意味します。

 

歯周ポケットの状態

歯周ポケットは単なる溝ではなく、そこにプラークや歯石などが溜まります。

そのため、細菌が繁殖する状態になってしまい、歯周ポケットは歯周病の原因菌の棲み処になります。

そして、歯周病の原因菌は歯周ポケットで繁殖を続けながら、悪さをするようになります。

 
その悪さによって歯周病は進行していて、やがては歯を支える骨を溶かしてしまうのです。

また、歯周ポケットの深さは一定ではなく、歯周病の進行に比例して深くなっていきます。

そうなると、さらに細菌が溜まるようになり、歯周病はますます悪化してしまうのです。

 
つまり、歯周ポケットの深さが分かれば、歯周病の進行度がある程度分かるということになります。

 

歯周ポケットの清掃

歯周ポケットには細菌が溜まっているため、歯周病を治療する上で清掃しなければなりません。

しかし、従来の方法では溝の中を清掃する術はなく、

どんな歯ブラシを使用しても歯周ポケットの清掃をすることはできません。

 
唯一対応できるのは専用の医療器具であり、歯周病を治すためには歯科医院での治療が必要ということになります。

もっとも、歯周病が重症化している場合は歯周ポケットの溝も相当に深く、

医療器具でも対応できないため、歯肉を切開して直接歯周ポケットの溝を清掃しなければなりません。

 
これはフラップ手術と呼ばれるもので、重症化した歯周病において行われることのある治療です。

 

歯周ポケットの発生によって起こる症状

歯周ポケットの発生は歯周病の発症を意味しますが、

歯と歯肉の間に発生する歯周ポケットは目で見て確認することができません。

ただ、歯周ポケットが発生することで次のような症状が起こります。

 

口臭を感じるようになる

口の中で細菌が繁殖すれば口臭がするようになります。

歯周ポケットが発生するとそこに細菌が溜まりますが、歯磨きで除去することができません。

そのため細菌が繁殖して口臭を感じるようになり、歯周病による口臭はとくにニオイがキツイのが特徴です。

 

冷たい飲み物がしみるようになる

これは確実に起こるわけではないですが、歯周ポケットが発生した状態で冷たい物を飲むと、

その飲み物が歯周ポケットに入り込むことがあります。

そこで飲み物が歯の根に触れた場合、知覚過敏が起こって歯がしみてしまいます。

 

歯周病を予防しよう

歯周ポケットを作らないためには、歯周病を予防することです。

何より歯周ポケットの発生は歯周病の発症とイコール関係になるため、

歯周病を予防すれば歯周ポケットが発生することはないでしょう。

 
ではどうすれば歯周病を予防できるのか?…予防方法はいくつかありますが、基本となるのは毎日の歯磨きです。

ブラッシングだけでなくデンタルフロスを使った歯磨きが効果的ですし、

歯間ブラシを使えば歯と歯肉の境目を綺麗にできるため、歯周病予防において大変効果的とされています。

 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、歯周ポケットとは何かについてまとめます。
 

1. 歯周ポケットとは :歯と歯を囲む歯肉との間に発生する溝で、歯周病の発症によって発生する

2. 歯周ポケットの状態 :細菌の棲み処となり、溝は歯周病の進行度に比例して深くなる

3. 歯周ポケットの清掃 :医療器具で清掃できるが、溝が深すぎる場合は歯肉を切開して清掃する

4. 歯周ポケットの発生によって起こる症状 :口臭、知覚過敏

5. 歯周病を予防しよう :歯間ブラシは歯と歯肉の境目を磨けるため、とくに効果的

 
これら5つのことから、歯周ポケットとは何かについて分かります。

つまり、歯周ポケットとは歯と歯肉の境目に発生する溝のことであり、

歯周病の発症によって発生するため、歯周病の解説において登場する用語となっています。

 
歯周病治療の基本は口の中を清潔にすることですが、

それなら歯科医院に行かなくても、自分で歯磨きをして綺麗にすればいいと思う人もいるでしょう。

しかし、歯周ポケットは自分で清掃することが不可能なため、歯周病が発症した場合は治療が必要になるのです。

 
 

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