虫歯になるとどのような症状が起こりますか？

 
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。

今回のテーマは「虫歯の症状」です。

虫歯の症状と聞くと、「歯が痛む」「冷たいものがしみる」などのイメージを持つ人が多いですね。

 
ただ、これらの症状はどのようにして起こるのでしょうか。

そこで、ここでは虫歯の症状について解説していきます。

ここで解説した自覚症状がある場合、虫歯になっている可能性があります。

 

脱灰と再石灰化のバランスが崩れる理由

脱灰と再石灰化のバランスが崩れるのは、食生活が関係しています。

例えば、食事の時間が長ければ脱灰が長引くため、再石灰化が追い付かなくなってしまいます。

ダラダラ食いとすると虫歯になりやすいというのは、このことが理由になっていますね。

 
また、間食が多い人は脱灰の頻度も高いということになりますから、

やはり再石灰化が追い付かず虫歯になってしまいます。

さらに、よく噛まずに食べると唾液の量が少なくなるため、再石灰化の効果が弱まってしまうのです。

 

歯が痛むのはなぜか

実は、虫歯になった瞬間に歯が痛むことはなく、

その虫歯が進行して虫歯の穴が象牙質に到達することで痛みを感じるようになります。

これは、象牙質がエナメル質に保護されておらず、刺激に対して敏感なのが理由です。

 
虫歯の穴が象牙質に到達することで、象牙質は直接刺激を受けることになります。

歯と歯の当たる衝撃、冷たい温度、風、象牙質にとってこれらは全て刺激になるのです。

そして、象牙質がこれらの刺激を受けることで歯がしみる、痛むなどの症状が起こります。

 

痛みが増すのはなぜか

虫歯の痛みは、治療しなければさらに痛みが増し、やがてズキズキとした激しい痛みに変わります。

これは、虫歯が神経まで進行して神経が炎症を起こしてしまうのが理由です。

神経は感覚を伝える組織ですから、その神経が炎症を起こすことで激しく痛むようになるのです。

 
ちなみに、虫歯の治療は歯を削って詰め物を入れるのが基本ですが、

ここまで虫歯が進行した場合は神経の除去・根管内の清掃を目的とした根管治療が必要です。

もっとも、虫歯を放置さえしなければ、ここまで虫歯が重症化することはまずありません。

 

痛みが解消されるのはなぜか

虫歯は放置し続け場合、痛みが増した後今度は一変して全く痛みを感じなくなります。

これについて、虫歯が治ったと思ってしまう人がいますが、それは間違いです。

そもそも、一度進行した虫歯は自然に治ることなく、治療しなければどんどん進行していってしまいます。

 
虫歯の痛みが急に解消されるのは、神経が死んでしまったことが理由です。

感覚を伝える神経を失ったことで、虫歯による痛みも感じない状態になっているのです。

失った神経は二度と再生することはなく、歯は脆くなって見た目も黒く変色してしまいます。

 

虫歯を放置し続けるとどうなるか

ここまでの解説で分かるとおり、虫歯を放置すると痛みが増し、さらには神経を失うことになります。

また、それでも虫歯を放置すると歯はボロボロに溶かされてしまい、

そうなってしまえば歯は歯としての機能を完全に失ってしまいます。

 
ただ、歯を完全に破壊した後も虫歯の原因菌はまだ生きています。

その後、虫歯の原因菌は血液の中へと侵入。

血管を通じて全身に回ってしまい、確率的には低いものの脳梗塞・心筋梗塞などの要因になるのです。

 

まとめ

いかがでしたか？

最後に、虫歯の症状についてまとめます。

 
1.　虫歯の発症　：口の中で繰り返される脱灰と再石灰化のバランスが崩れることで虫歯になる

2.　脱灰と再石灰化のバランスが崩れる理由　：食事が関係する。ダラダラ食い、間食などによって脱灰が長引く

3.　歯が痛むのはなぜか　：虫歯の進行によって象牙質が露出することで、冷たさなどが刺激となって歯が痛む

4.　痛みが増すのはなぜか　：虫歯がさらに進行することで神経まで到達し、神経が炎症を起こすことで激痛を感じる

5.　痛みが解消されるのはなぜか　：虫歯が治ったわけではない。虫歯の進行によって神経が死んでしまったため

6.　虫歯を放置し続けるとどうなるか　：歯を破壊した後も虫歯の原因菌は生き続き、血管から全身へと回る

 
これら6つのことから、虫歯の症状について分かります。

脱灰と再石灰化のバランスが崩れることによって起こった虫歯は、

治療しなければ象牙質、象牙質から神経へと進行して、痛みという辛い症状を起こします。
 

さらに、最終的には歯をボロボロにさせてしまいますが、それでも虫歯の原因菌は生き続け、

やがては血液へと入り込んで血管から全身に回ってしまうのです。

虫歯の放置は、命にかかわる深刻な病気を引き起こす要因になってしまうのです。