ホーム > 歯科コラム > 歯が痛くないのに歯周病になっていることはあるのですか?

歯科コラム

歯が痛くないのに歯周病になっていることはあるのですか?

2022年03月11日


 
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。

今回のテーマは「歯周病の症状」です。

歯に痛みを感じないことを、お口の中が健康である根拠として挙げる人は多いですよね。
 
だからこそ、歯が痛くないのに歯周病だと診断されると、驚いてしまいがちです。

しかし、何も自覚症状がないのに、歯周病になっていることは考えられるのでしょうか。

そこで、ここでは歯周病の症状について解説していきます。
 

歯周病とは

歯周病とは、細菌の感染によって起こる歯の骨の病気です。

お口の病気である点から、歯の病気と思っている人も多いのですが、

「歯の周りの病気」という病名が示すとおり、歯周病は歯ではなく歯の骨の病気です。
 
歯周病が発症すると、歯と歯肉の間に歯周ポケットと呼ばれる溝が生まれ、そこで細菌が繁殖します。

そうすると、歯の骨に悪さをするようになり、歯槽骨を溶かしてしまうのです。

歯槽骨は歯を支える役割を担っていますから、溶かされることで歯は不安定になります。

 

静かなる病気

歯周病は静かなる病気とも呼ばれており、それは目立った自覚症状がないからです。

例えばむし歯の場合、「痛み」という分かりやすい自覚症状があるため、

むし歯になれば歯が痛くなり、それによってむし歯の発症に気づきます。
 
しかし、歯周病にはこのような明確な自覚症状がないので、

いつの間にか発症して、いつの間にか進行しているケースが非常に多いのです。

「気づかない間に進行する」という点で、静かなる病気と呼ばれています。

 

歯周病の自覚症状

発症に気づきにくい歯周病ですが、自覚症状が完全にゼロというわけではありません。

以下の症状は、いずれも歯周病の発症・進行によって起こるものになります。
 

歯肉が変色する

歯周病が発症すると、歯肉に炎症が起こります。

これによって歯肉が変色して、触れた時の感触も張りがなくなります。
 

歯肉から出血しやすくなる

歯周病が発症すると、身体の防御機能が働き、細菌を駆除するために血液が集まります。

そのため、患部にささいな刺激を与えると、出血することがあります。

例えば、「かたいものを食べる」「歯ブラシが歯肉に当たる」などの刺激による出血です。
 

口臭がする

口臭の原因はさまざまですから、「口臭=歯周病」と断定できないものの、可能性としては非常に高いです。

とくに、歯周病によって起こる口臭はニオイがキツいため、寝起きなどに不快な口臭を感じやすくなります。
 

歯が長く伸びたように感じる

歯周病が進行すると、歯肉退縮が起こって歯肉の高さが下がります。

そのため、通常なら歯肉に覆われていたはずの歯根が露出して、その分だけ歯が伸びたように見えます。
 

冷たいものがしみる

歯肉退縮によって露出した歯根には、エナメル質が存在していません。

象牙質が露出した状態になっているため、冷たさなどを感じると、知覚過敏が起こって歯がしみます。
 

歯が動く

歯周病の進行によって溶かされる歯槽骨は、歯を支える役割を担っています。

歯槽骨が溶かされれば歯は不安定になるため、指で触れると動きます。
 
それぞれの自覚症状は、いずれも歯周病と断定する根拠にはならないものの、

可能性の点では非常に高いと考えられます。

とくに、これらの中で複数の自覚症状がある場合は、まず間違いなく歯周病が発症しています。
 

歯周病を予防するための方法

歯周病を予防するための方法は、むし歯を予防する方法と同じです。

歯周病とむし歯では、それぞれ原因となる細菌が異なるものの、いずれの細菌もプラークの中に存在しています。
 

歯磨きの効果を高める

磨き残しを減らして、効率良くプラークを除去する歯磨きができれば、歯周病を予防しやすくなります。

そのためには歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使うのがおすすめです。
 

身体の免疫力を高める

歯周病は細菌に感染することによって起こるため、身体の免疫力を高めることも予防につながります。

例えば、疲労やストレスを解消できるライフスタイルが確立できれば、身体の免疫力の低下を防げます。
 

定期検診を受ける

歯周病の厄介なところは、発症や進行に気づきにくいことです。

そのため、定期検診を受けて、定期的にお口の健康状態を確認してもらいましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

最後に、歯周病の症状についてまとめます。
 
1. 歯周病とは :「歯の周りの病気」という文字が示すとおり、歯の骨の病気

2. 静かなる病気 :目立った自覚症状がないことから、歯周病は静かなる病気とも呼ばれる

3. 歯周病の自覚症状 :歯肉が変色する、歯肉から出血しやすくなる、口臭がするなどの自覚症状が起こる

4. 歯周病を予防するための方法 :歯磨きの効果を高める、身体の免疫力を高める、定期検診を受ける
 
これらのことから、歯周病の症状について分かります。

歯の痛みの有無は、歯周病の有無を判断する根拠にはなりません。

そもそも歯周病は目立った自覚症状がなく、いつの間にか発症していることが多いのです。

そのため、定期検診を受けていなければ、歯周病の早期発見・治療は難しいでしょう。
 

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』