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歯科コラム

歯周病の治し方

2022年05月27日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。
今回のテーマは「歯周病の治療法」です。
お口の中の病気を考えた時、多くの人はむし歯と歯周病を想像すると思います。

むし歯と歯周病は、どちらも有名な病気ですが、
治療法については「むし歯の治療法しか知らない」という人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは歯周病の治療法について解説していきます。

基本はお口の中を清潔にすること

歯周病を治療するための基本は、お口の中を清潔にすることです。
歯周病になると、お口の中で歯周病菌が繁殖するため、お口の中は細菌だらけになってしまいます。
歯周病を治すためには、そんな細菌を除去してキレイにすることが必要です。

そもそも、歯周病は歯の病気ではなく、歯を支えている骨の病気です。
そのため、むし歯のように歯を削っても治すことはできません。
お口の中をどれだけ清潔にできるかが、歯周病を治す上で重要になってくるのです。

プラークコントロール

歯周病菌はプラークの中に含まれているため、プラークを除去しなければなりません。
これについては、2つの発想をする必要があります。
1つは歯に付着したプラークを除去することで、この方法は歯磨きが有効です。

もう1つは、プラークの発生を抑えることで、それには糖の摂取を控えるなど、食生活の改善が有効です。
つまり、できるだけプラークの発生を抑えた上で、より多くのプラークを除去することが歯周病治療の基本であり、
これをプラークコントロールと呼びます。

歯石の除去

プラークは、時間が経過すると石灰化して、歯石へと変化します。
お口の中を鏡で見た時、歯と歯の間や歯と歯肉の間に白い塊があれば、それが歯石です。
プラークと歯石の大きな違いは、歯磨きで除去できるかどうかです。

歯磨きで除去できるプラークと異なり、歯石は歯磨きで除去することができません。
除去するためには、歯科医院に行く必要があり、専用の医療器具を使って除去します。
歯石は細菌の塊ですから、これが存在することで歯周病が進行してしまうのです。

歯周ポケットの清掃

歯周病を治すためには、プラークや歯石を除去する必要がありますが、
これらは全てが歯に付着しているわけではありません。
歯周病になると歯と歯肉の間に溝が生まれ、これを歯周ポケットと呼びます。

そして、歯周ポケットの中にも、プラークや歯石が溜まっていくのです。
そのため、歯周病を治すためには歯周ポケットの清掃が必要になりますが、
自分で歯と歯肉の間の溝をキレイにする手段はなく、歯周ポケットの清掃は歯科医院の治療の中で行います。

フラップ手術

歯周病が重症化している場合に行う可能性がある手術です。
上記で解説したように、歯周病を治すためには歯周ポケットの清掃が必要ですが、
歯周ポケットは歯周病の進行に比例して深くなっていきます。

そのため、歯周病が重症化している場合の歯周ポケットは深く、従来の医療器具で清掃できないことがあるのです。
この場合、対処として歯肉を切開して歯根を露出させ、直接歯周ポケットの清掃を行います。
この「歯肉を切開する」というのがフラップ手術であり、手術の目的は「深くなった歯周ポケットの清掃」です。

骨の再生療法

歯周病の進行によって溶かされた骨は、再生することはありません。
しかし、再生を促すことは可能であり、それが骨の再生療法です。
再生療法には、GTR法やエムドゲイン法などがあります。

ただし、これらは歯周病治療の一貫ではないため、対応していない歯科医院も多いですし、
対応している場合も自由診療になります。また、再生は確実に保証されたものではなく、
症例によっては対応できないですし、対応できたとしても100%の再生が可能とは限りません。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療法についてまとめます。

1. 基本はお口の中を清潔にすること :歯周病を治すためには、お口の中を清潔にすることが基本となる
2. プラークコントロール :プラークを除去することだけでなく、食生活の改善などで発生を抑えることも必要
3. 歯石の除去 :歯石とはプラークが石灰化したもの。歯科医院で、専用の医療器具によって除去する
4. 歯周ポケットの清掃 :歯と歯肉の境目にできた歯周ポケットには細菌が溜まっているため、清掃が必要
5. フラップ手術 :歯周ポケットの清掃が困難な場合に行う。歯根を露出させて、直接歯周ポケットを清掃する
6. 骨の再生療法 :溶かされた骨の再生を促す治療法。歯周病治療の一環ではないため、自由診療になる

これらのことから、歯周病の治療法について分かります。
とくに、歯肉を切開するフラップ手術には抵抗を感じる人も多いと思いますが、
歯周病の治療法は病気の進行度によって変わるため、早期発見すればこのような治療は必要ありません。

そのため、定期検診を受けて、歯周病を早期発見できるようにしておくと確実ですし、
定期検診を受けることは、何より歯周病の予防につながります。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』