歯科コラム
ハイブリッドセラミックとは、どのようなセラミックですか?
2021年01月08日
中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL TSUKISHIMAです。
今回のテーマは「ハイブリッドセラミック」です。
現状、セラミックには4つの種類が存在しており、ハイブリッドセラミックはその中の一つになります。
オールセラミック、メタルボンド、ジルコニアセラミック、そしてハイブリッドセラミック、
これら4つの中から今回はハイブリッドセラミックの特徴について解説します。
他のセラミックとの違いにも触れていくので、セラミックを検討している人は参考にしてください。
ハイブリッドセラミックとは
ハイブリッドセラミックとはセラミックの一種で、レジンにセラミックの微粒子を混ぜ合わせたタイプです。
ハイブリッドは「異種のもの同士の組み合わせ・掛け合わせ」を意味する言葉ですから、
レジンとセラミックが組み合わさっている点でハイブリッドセラミックと名付けられています。
つまり、ハイブリッドセラミックはレジンとセラミックの中間に位置する素材であり、
セラミックでありながらレジンとしての特徴も兼ね備えています。
そして、レジンの特徴を持っていることがハイブリッドセラミックの長所であり、短所でもあるのです。
他のセラミックとの比較
では、ハイブリッドセラミックを他のセラミックと比較した上で、長所と短所をまとめます。
<他のセラミックと比較した場合の長所>
・レジンが混ざっているため、他のセラミックに比べて費用が安い
・レジンの影響で柔軟性があるため、割れにくく噛み合わせた時にも歯を痛めにくい
・多少の欠け程度の事故なら修理も可能
<他のセラミックと比較した場合の短所>
・レジンが混ざっているため、他のセラミックに比べて審美性が劣る
・レジンが混ざっているため、年数が経過すると変色する
・プラークが付着しやすい
長所と短所に注目すると、それぞれ「レジンが混ざっているため」の表現が目立ちます。
つまり、レジンが混ざっていることが長所にも短所にもなっており、
ハイブリッドセラミックは費用が安くお手軽なセラミックとして位置づけられています。
ハイブリッドセラミックの費用
自由診療の場合、費用は歯科医院ごとで自由に設定できるシステムです。
そのため、ハイブリッドセラミックの費用は一律ではないですが、おおよその相場は次のようになっています。
・ハイブリッドセラミックインレー(詰め物):1本につき3万円~5万円
・ハイブリッドセラミッククラウン(被せ物):1本につき5万円~12万円
また、平成24年から健康保険が改定され、ハイブリッドセラミックに健康保険が適用されるようになりました。
この場合、費用は1本につき9000円程度になりますが、健康保険適用においては以下の点に注意してください。
・CAD/CAM装置の所持など、健康保険適用の基準が歯科医院に定められている
・健康保険適用の対象になるのはクラウン(被せ物)のみで、インレー(詰め物)は対象外
・健康保険適用のハイブリッドセラミックは、従来のハイブリッドセラミックに比べて審美性・耐久性が劣る
・健康保険適用の対象となる歯の箇所が限られている
ハイブリッドセラミックの注意点
一般的に、セラミックはインレー(詰め物)・クラウン(被せ物)に使用されますが、
他の治療においてもセラミックが使用されることがあります。
ただしその場合、ハイブリッドセラミックにおいて次の注意点があります。
ブリッジをハイブリッドセラミックにすると金属も使用される
ブリッジをハイブリッドセラミックで製作することは可能ですが、
ハイブリッドセラミックオンリーでの製作は不可能で、耐久性の問題で金属のフレームが必要になります。
そのため、金属アレルギーの人がハイブリッドセラミックのブリッジにすることはできません。
ラミネートベニアをハイブリッドセラミックにすることはできない
ラミネートベニアとは、歯にセラミックを貼り付けることで歯並び・歯の色の審美性を高める治療です。
イメージとしては歯のネイルチップのようなものですが、
ラミネートベニアの素材にハイブリッドセラミックを選択することはできません。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、ハイブリッドセラミックについてまとめます。
1. ハイブリッドセラミックとは :レジンにセラミックの微粒子を混ぜ合わせたタイプ
2. 他のセラミックとの比較 :長所は「費用が安い」「割れにくい」など、短所は「審美性が劣る」「変色する」など
3. ハイブリッドセラミックの費用 :相場はインレーが1本3~5万円、クラウンが1本5~12万円
4. ハイブリッドセラミックの注意点 :「ブリッジで使用する場合は、金属を使用することになる」など
これら4つのことから、ハイブリッドセラミックについて分かります。
ハイブリッドセラミックは、審美性・機能性などの特徴を挙げると他のセラミックに劣る部分がありますが、
その分だけ費用が安く設定されており、そのお手軽さこそハイブリッドセラミックのメリットです。
セラミックにしたいけど費用が高いと思っている人は、ハイブリッドセラミックを検討してはいかがでしょうか。
月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』