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歯科コラム

タバコはなぜ歯周病に悪いと言われるのでしょうか?

2017年05月01日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「タバコが歯周病に悪い理由」です。
タバコが身体の健康に悪いことは誰もが知っていますが、お口の中の健康においても同様です。

つまりタバコはお口の中の健康にも悪影響を及ぼすわけで、その一つが歯周病です。
タバコを吸うことで歯周病を招く、歯周病を悪化させると言われており、
ここではタバコと歯周病の関係について説明していきます。

1. 歯周病に気付きにくくなる

本来歯周病になると、歯肉に炎症が起きて出血するようになるのですが、
タバコを吸っている人は炎症による歯肉の腫れや出血が抑えられる特徴があります。
これは症状が軽いというわけではなく、あくまで見た目上抑えられているだけです。

歯肉の腫れや出血が抑えられることで歯周病であると気付きにくくなりますし、
歯周病であることに気付けなければ進行も容易に許してしまうでしょう。
さらに進行自体にも気付きにくくなるため、気付いた時には歯周病が重症化してしまうケースが多いのです。

2. プラークや歯石が付着しやすくなる

タバコを吸う人の歯周病になるリスクは、タバコを吸わない人のそれに比べて約5倍と言われています。
ではなぜタバコを吸うと歯周病にかかりやすくなるのか?…その理由の一つがプラークや歯石の付着です。
タバコを吸うことで歯にタールが付着すると、歯にプラークや歯石が付着しやすくなるのです。

プラークや歯石の中には億単位の細菌が潜んでおり、歯周病菌もその中に含まれています。
つまり、歯にプラークや歯石が付着しやすくなることは、それだけ歯周病になるリスクを高めてしまうのです。
また、ヤニの付着で歯が変色するなど、歯の見た目そのものも悪くなってしまいます。

3. 身体の免疫力が低下する

身体の免疫力と歯周病…これらは一見何も関係なさそうに思える人も多いでしょう。
しかしそうではなく、身体の免疫力が低下すると歯周病にかかりやすくなるのです。
これは歯周病が細菌の感染によって起こる病気だからです。

免疫力が高ければ細菌に感染しにくくなりますし、逆に免疫力が低ければ細菌に感染しやすくなるのです。
そして、タバコを吸うとニコチンによる影響で身体の免疫機能が狂わされてしまいます。
これによって免疫力が低下するため、細菌に感染しやすくなる…つまり歯周病にかかりやすくなるのです。

4. 治療の傷の治りが遅くなる

歯周病の進行度によっては、治療で手術を行うことがあります。
しかし、タバコを吸っている人は手術などによってできる傷の治りが遅くなります。
これはニコチンの影響で栄養が供給されにくくなり、ビタミンCが消費されてしまうのが原因です。

傷の治りが遅ければそれだけ治療期間が長くなり、歯科医院に通う回数も多くなります。
それは患者さんにとって手間になりますし、何より治療費にも影響してきます。
また、栄養が供給されにくくなることで、手術とは無関係に歯は常に栄養不足に陥ります。

お口の健康を維持するためのデンタルケアやオーラルケア、
例えこれらに力を入れていても、タバコを吸っているとその効果は得られにくくなります。
なぜなら、タバコを吸うことでお口の中の歯周組織は常に破壊され続けているからです。

上記でタバコを吸うと歯周病になりやすいと説明しましたが、
歯周病を治したとしてもデンタルケアが不充分になってしまうことで、当然再発も招きやすくなります。
もちろん、タバコを吸うことはお口の中だけでなく身体全体にも悪影響を及ぼします。

6. 歯肉が老化する

歯肉の老化は加齢も関係してくるので防止することはできません。
しかしタバコを吸う人は老化が早く、実年齢より10年から20年進んだ歯肉になってしまいます。
つまり、30歳でタバコを吸う人は50歳の歯肉をしているということです。

歯肉は老化によってどんどん痩せていくため、それによって歯周病で歯が抜けるリスクも高くなります。
ちなみに、糖尿病の場合も糖化によって歯肉の老化が促進されるため、
糖尿病でなおかつタバコを吸う人は歯周病で歯を失うリスクがより高くなります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、タバコが歯周病に悪い理由についてまとめます。

  1. 歯周病に気付きにくくなる :歯周病によって起こる歯肉の腫れや出血が見た目上分かりにくくなる
  2. プラークや歯石が付着しやすくなる :タールの影響で歯にプラークや歯石が付着しやすくなる
  3. 身体の免疫力が低下する :ニコチンの影響で免疫力が低下すると歯周病にかかりやすくなる
  4. 治療の傷の治りが遅くなる :ニコチンの影響で治療の傷が治りにくくなり、治療期間が長くなる
  5. ケアの効果が得られにくい :歯周組織が破壊され続けるため、デンタルケアの効果が得られにくい
  6. 歯肉が老化する :タバコを吸う人の歯肉は実年齢より10年から20年進んでしまっている

これら6つのことから、タバコが歯周病に悪い理由が分かります。
タバコを吸うことは歯周病になるリスクを高め、さらに重症化するリスクも高めます。
最も、今までタバコを吸っていたとしても禁煙することでそれらのリスクは減らせるため、
身体の健康だけでなく大切な歯を守るためにも、タバコを吸う人はこの機に禁煙を考えてみてください。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』