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歯科コラム

歯周病の治療にはどんなものがあるの?

2017年07月28日

中央区月島勝どきの歯医者さん、YUZ DENTAL tsukishimaです。
今回のテーマは「歯周病の治療方法」です。
虫歯の治療方法に比べて、歯周病の治療方法はあまり知られていません。

また、歯周病の治療方法は常に同じではなく、進行状況に応じて治療内容が変わります。
当然症状が軽ければ治療も簡単なものですみ、進行していれば治療も大掛かりなものになるのです。
そこで、ここでは歯周病の進行度に応じた治療方法を説明していきます。
歯科医院ごとで細かい違いはあるでしょうが、一般的な流れはここでお伝えするとおりです。

1. 進行度による違い

冒頭で「進行度によって治療が異なる」と説明しましたが、
歯周病の進行度は初期段階と中期段階と重度段階の3段階に分けられています。
また、以前の表現を使えば「初期段階=歯肉炎」、「中期段階=歯周炎」、「重度段階=歯槽膿漏」です。

それぞれの段階ごとで治療内容が異なり、それだけでなく治療費と治療期間も異なってきます。
進行していれば治療も大掛かりなものになり、治療が大掛かりなものになれば治療期間も長くなります。
そして治療期間が長くなれば、トータルの治療費にも影響してくるのです。

2. 初期段階の治療

初期段階の治療では、歯石の除去と患者さんによるプラークコントロールを行います。
また、歯石の除去とプラークコントロールは歯周病治療の基本なので、どの段階においても行います。
歯石があると歯周病が悪化しやすくなりますし、歯石は歯磨きでは除去できません。

ですから、歯周病治療の際には専用の医療器具を使って歯石を綺麗に除去します。
次にプラークコントロールですが、これは患者さんが効率よくプラークを除去するというもので、
方法のメインは歯磨きです。とは言え、適当な歯磨きではうまくプラークコントロールできないので、
ブラッシング指導を行って歯磨きの効果を高めます。

3. 中期段階の治療

中期段階になると歯槽骨が溶かされはじめており、基本治療だけでは治りません。
もちろん歯石の除去とプラークコントロールは行いますが、状態次第では歯周外科手術も行います。
この手術は歯肉を切開するもので、歯周ポケット内の細菌を除去するのが目的です。

本来なら外側から歯周ポケット内の清掃ができますが、
歯周病が進行すると歯周ポケットの溝が深くなってしまうため、外側からの清掃ができなくなるのです。
このため、歯肉を切開してそこから歯周ポケット内の細菌を清掃するのです。

4. 重度段階の治療

重度段階になると歯槽骨が溶かされている範囲も広く、場合によっては抜歯するしかなくなります。
治療方法としては初期段階の治療と中期段階の治療の両方を行いますが、
治療期間は大幅に長くなりますし、前述したように治療不可と判断されて抜歯する可能性もあります。

ちなみに、抜歯した後の対処としては入れ歯やインプラントやブリッジです。
とは言え、入れ歯は費用が安い反面天然の歯と感覚は全く異なりますし、
インプラントは天然の歯に近い感覚が得られる反面、費用は高額になります。
いずれにしてもおすすめの治療とは言えないため、遅くても中期段階までには治療してください。

5. その他の治療

上記でお伝えしたい以外の治療について説明しておきます。
まず治療後はメンテナンスを定期的に行いますが、これを疎かにすると治療の効果は失われてしまいます。
また、メンテナンスの内容自体も元々の歯周病の進行度によって異なります。

やはり重症化しているほどメンテナンスにも時間が掛かり、長期間の通院が必要です。
それ以外には、溶かされた歯槽骨を再生させる治療もありますが、
これについてはどんな場合にも対応できるわけではないですし、再生できる量にも限界があります。
また、骨の再生治療は健康保険が適用されないため、高額になってしまいます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療方法についてまとめます。

  1. 進行度による違い :初期段階、中期段階、重度段階の3段階に分かれており、それぞれ治療内容が異なる
  2. 初期段階の治療 :歯石の除去とプラークコントロール。これらは歯周病治療の基本となっている
  3. 中期段階の治療 :初期段階の治療に加え、歯周ポケットの深さによって歯周外科手術を行う
  4. 重度段階の治療 :初期段階と中期段階の治療を行うが治療期間は長くなり、抜歯が必要なこともある
  5. その他の治療 :メンテナンス、骨の再生治療などがある。メンテナンスを怠ると治療効果が失われる

これら5つのことから、歯周病の治療方法が分かります。
段階ごとの治療内容を確認すれば分かるとおり、症状が軽ければそれだけ簡単な治療で終わります。
治療が嫌で放置してしまえば、それだけいざ治療を受けた時に辛い治療が必要になるのです。

もちろん歯周病になっていいとは言いませんが、初期段階の歯周病なら簡単に治せます。
日頃から定期検診を受ける習慣をみにつけ、歯周病予防はもちろん、
歯周病になってもすぐに発見して治療できる環境を作っておきましょう。

月島 勝どき 歯医者なら『YUZ DENTAL tsukishima』